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笹幸恵
2022.4.27 13:19日々の出来事

また出た!あまりに無知な玉川徹の妄言

今朝、羽鳥慎一のモーニングショーを見た。
自民党が言及した防衛費「対GDP比2%」について
批判的な意見が大半。
確かに「数字ありき」じゃ意味がない。
国際社会の現状に照らして何が必要なのか
というのが出発点でなければならないし、
アメリカから武器買ってばかりで国内の
防衛産業が衰退するのは安全保障の観点からしても
どうなのかと思う。
使い道を精査するのは当然だ。
また、そもそも精査するにあたって、
どんな国でありたいのか、あるべきなのかの
大局の議論が必須だろう。
とまあ、言いたいことはいろいろあるけど、
何より玉川徹の妄言に驚いた。

軍隊と自衛隊は違う、と玉川は言う。
「自衛隊は外で戦争しないが、軍隊は外で戦争する」
だって。
なんだそれ。
そもそも「外」の意味が判然としない。

「他国への侵略」という意味か?
それなら今の国際社会において、多くの国の
軍隊は侵略を是としていない。

「他国と協力して外地で戦闘行動をしない」と
いう意味か?
湾岸戦争では、日本はカネしか出さないといって
感謝されるどころか批判されたではないか。
国際社会の常識からかけ離れていたのだ。
だからペルシャ湾で掃海部隊を派遣した。

細かいことを言えば、そもそも朝鮮戦争で、
占領下にあった日本は掃海隊(当時は海上保安庁)を
派遣している。これは戦闘行動だ。
日本国憲法の施行後、間を置かずして、
もう現実とのはざまで綻びが出ていたのだ。

さらに言えば、自衛隊は一歩外に出れば
立派な「軍隊」である。
Japan Self-Defence Forceと呼ぶ人なんかいない。
Japanese Armyであり、Navyであり、Air Forceだ。
自衛官なら、そのへんのギャップはよくわかっている。
よくわかっていながら、曖昧にせざるを得ない。
だって「軍隊ではありません、Self-Defence Forceです」なんて、
国内でしか通用しない詭弁なのだから。

玉川は熱弁する中でこうも言った。
自衛隊が警察予備隊から始まったという
成立過程に触れ、
「警察権力の延長ですから」と。
これには度肝を抜かれた。
身も蓋もない言い方をすれば、
警察予備隊なんて厭戦ムードが色濃い時代の
まやかしの言葉だ。
それを無邪気に信じているのも驚きだが、
それを根拠に「警察権力の延長」とするのは
あまりにモノを知らなさすぎる。

警察というのは、取り締まる対象が国民。
軍隊というのは、守る対象が国民。

バカも休み休み言え。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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